孤独死のうち一番多い死因とは何かご存知ですか?
孤独死者の主な死因として、病死や自殺、事故死が挙げられます。
単身世帯の増加や人間関係の希薄化、経済的な困窮など、孤独死が発生してしまう原因は様々なケースが考えられます。
孤独死に至った死因について理解し、対策をとれば孤独死を起こすリスクを抑えられます。
今回は孤独死者のうち一番多い死因や、孤独死を防ぐ為の対策についてご説明いたします。
日本少額短期保険協会が2022年11月に発表した「第7回孤独死現状レポート」によると、孤独死者の死因のうち一番割合が高いのは病死、次に自殺、事故死であると報告されています。
参考サイト:【「第7回孤独死現状レポート」日本少額短期保険協会】
また、孤独死者の平均年齢は約62歳とも報告されています。
60歳以上の死因として、令和4年に発表された「人口動態統計月報年計(概数)の概況 」によると、令和4年の死亡者数のうち一番多い死因が悪性新生物(がん)、二番目に心疾患、三番目に老衰だと報告されています。
一人暮らしをしており、体の異変に気付いてくれる人や相談できる人がいない方は、病気を発症しても気付かなかったり、症状を放置して悪化させてしまう可能性があります。
参考サイト:【「人口動態統計月報年計(概数)の概況 」厚生労働省】
厚生労働省が発表した「令和4年版自殺対策白書」によると、20~29歳、40~49歳の自殺死亡率は令和2年以降は2年連続で上昇しており、その中でも「20~29歳」の上昇が比較的大きいと発表されています。
参考サイト:【「令和4年版自殺対策白書」厚生労働省】
つまり孤独死は高齢者だけでなく、働き盛りの若い世代でも発生しています。
人間関係の悪化や仕事のプレッシャーにより精神的なストレスを抱え、誰にも相談できないまま自殺へ追い詰められてしまう方は少なくありません。
もう一つの主な死因は事故死です。
例えば寒い時期にお風呂に入り、温度差による血圧変動で発生するヒートショックや、階段からの転落などにより、健康な方でも突然命を落としてしまう場合があります。
筆者の祖父は入浴中に洗い場で足を滑らせて転倒し、頭を打って死亡しました。浴室の床はタイル張りで滑りやすく、事故を防ぐためのリフォームなどを行っておけば事故で命を落とさずに済んだのではないか、と今でも悔やんでいます。
階段やお風呂場など、事故が発生するリスクが高い場所は手すりを設置したり、暖房をつけるなどバリアフリー化などの防止策を立てるべきだと筆者は考えています。
孤独死につながる病気として考えられるのは
・悪性新生物(がん)
・肺炎
・心疾患
・脳血管疾患
などです。
発作が発生して体調が悪くなったものの、周囲に助けを求められず床に倒れて亡くなってしまうケースや、自分自身が気付かないうちに病状が悪化し、眠ったまま亡くなってしまったケースなど、様々な病気によって一人で亡くなられてしまう方がいます。
一人暮らしをされている方は偏った食生活に陥りがちです。
また、運動や外出をせず、自宅に引きこもりがちな人は生活習慣病を発症するリスクが高まります。
バランスの良い栄養を採らず、不健康な生活習慣を続けているうちに病気を発症し、病死してしまうケースがほとんどです。
孤独死するリスクが高い人の特徴として、以下が考えられます。
若い方は一人暮らしをしていても急病によって孤独死するリスクは比較的低いと言われています。しかし、高齢になると急病や怪我に見舞われるリスクが高まります。
家族で共同生活をしていれば病院への連絡など迅速な対処ができ、孤独死を回避できるかもしれませんが、一人で暮らしていた場合は誰にも助けを求められず、命を落としてしまう場合があります。
SNSの普及や個人主義の意識の高まりにより、近年は近隣住民との交流が減少しています。
近隣住民との人間関係が希薄になると、人とコミュニケーションをとる機会が減少するだけでなく、緊急時に誰にも助けを求められないという問題につながります。
その結果、急病や事故が発生した場合に周囲に気づいてもらえず、最悪の場合、孤独死する可能性があります。
経済的困窮も孤独死を招く原因の一つです。
企業の倒産やリストラによる収入の喪失、年金頼りの生活などによって貧困状態に陥ってしまうと、十分な食事をとったり、必要な医療を受けられなくなります。
その結果、適切な健康管理や治療ができずに急病を発症して命を落とすリスクが高くなります。
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急病によって命を落とさないよう、一人暮らしをされている方は普段から健康診断を受診し、日頃からご自身の健康状態を把握しておきましょう。
また、体調に違和感を覚えたらすぐに診てもらえるように近所にある病院の位置も事前に調べておくべきです。
軽いかぜや発熱でも、かかりつけ医に診察してもらえればカルテが作られるため、一般の方では気付かない異変にも気付いてもらえます。
小さな病気でも、健康について相談できるかかりつけ医がいると安心して生活できます。
体調が悪化し、近所の病院に行きたくても行けない状況に陥る可能性も十分に考えられます。緊急性の高い症状が出たときは救急車を呼ばなくてはいけません。
しかし、どれくらいの症状が出たら呼ぶべきなのか迷ってしまうときがあるでしょう。
総務省消防庁では、以下の症状があった場合は迷わず救急要請をすべきと紹介されています。
・顔半分が動きにくい、またはしびれる
・突然の激しい頭痛、高熱
・呼吸困難、吐血
・便に血が混ざる
・片方の足や腕に力が入らなくなる
参考サイト:【「救急車利用リーフレット」総務省消防庁】
時間とともに症状が悪化する病気もありますので、早めの対応が必要です。
・健康的な生活を心掛ける
運動や食生活に配慮して健康的な生活を送るのも孤独死対策の一つです。
筆者の叔母は配食サービスを利用しています。配食サービスとは一人暮らしの方や高齢者にお弁当を配送するサービスです。栄養バランスを考えて作られているため、自炊が困難な方や、持病があり食事制限が必要な人におすすめです。
また、配達員が祖母の元へ訪問し安否確認もしてくれるため、安否確認の手段としても助けられています。
自殺による孤独死を防ぐためには、一人で悩みを抱え込まないことが大切です。家族や友人がいない場合は公的機関や医療機関に相談し、助けを求めましょう。
もし周囲に自殺未遂、自殺をほのめかす言動をしている方がいれば、周囲の人同士で見守り自殺を防止しましょう。
家族や友人が引きこもりがちになってしまったり、不眠、食欲不振などの様子を見かけたときなど、家族や友人に変化を感じたときは声をかけてみましょう。
変化に気付いたときは「お元気ですか?」など、ご自身から相手の様子を伺ってみましょう。
相手が悩みを話してくれたときは、時間をかけて可能な限り傾聴しましょう。
話題を変えたり、相手の訴えや感情を否定したり、表面的な応援だけで会話を終わらせてしまうのは逆効果です。本人の気持ちを尊重し、話しに共感しているという姿勢を見せましょう。
心の健康や経済的な問題などで悩んでいるようであれば、医療機関や公的機関への相談を勧めましょう。
相手が一人で悩まずに済むよう、家族や友人、上司などの周囲の人々と協力して連携しましょう。
・周りの人同士で協力し、見守る
医療機関や公的機関への相談を促した後も、身体や心の健康について、自然な雰囲気でコミュニケーションを取り、寄り添いながら見守りましょう。
孤独死の主な死因は病死、自殺、事故死です。
孤独死のリスクが高い人の特徴として一人暮らし、希薄な人間関係、経済的困難が挙げられます。
ご自身が孤独死のリスクが高い人の特徴に当てはまる場合は、もしものときに助けを求められたり、相談できる環境を作れているかを振り返ってみましょう。